ウェブ制作の羅針盤!世界の技術トレンドがわかる「W3Techs」活用術

ウェブサイトやサービスを作る上で、「どんな技術が今人気なの?」「どのCMSを使えばいいの?」と迷うことはありませんか?そんな時、強力な味方になってくれるのが、今回ご紹介する「W3Techs(World Wide Web Technology Surveys)」です。この記事では、W3Techsとは何か、どんな情報が得られるのか、そして私たちウェブ制作者がどのように活用できるのかを分かりやすく解説します。

W3Techsって何?~ウェブ技術の「国勢調査」~

W3Techs を一言で表すなら「インターネット上で使われているウェブ技術のシェアやトレンドを調査・公開しているサイト」です。世界中のウェブサイトを定期的に分析し、

  • どんなCMS(コンテンツ管理システム)が使われているか?
  • どんなプログラミング言語で動いているか?
  • どんなウェブサーバーが人気なのか?

といった、ウェブサイトを構成する様々な技術の「今」を教えてくれます。まるで、ウェブ技術の世界の国勢調査のようなもの、とイメージすると分かりやすいかもしれません。

W3Techsでどんな情報がわかるの?~創人塾生ならココに注目!~

W3Techsでは、本当に多岐にわたる技術情報が公開されていますが、特に私たちウェブデザイナーやデベロッパーにとって役立つ情報をいくつかピックアップしてご紹介します。

CMS(コンテンツ管理システム)のシェア

WordPress、Shopify、Wix、Squarespaceなど、どのCMSが世界で、そして日本でどれくらい使われているかが分かります。「やっぱりWordPressは強いんだな」といった具体的なデータや、最近伸びてきているCMSの動向などを把握できます。創人塾のカリキュラムでも学ぶWordPressの立ち位置が客観的に理解できますね。

クライアントサイドプログラミング言語(主にJavaScriptライブラリ/フレームワーク)

jQuery、React、Vue.js、Angularなど、ウェブサイトの動きや見た目を豊かにするJavaScript関連技術の利用状況が分かります。インタラクティブなデザインを実装する際に、どの技術が主流なのかを知る手がかりになります。

サーバーサイドプログラミング言語

PHP、ASP.NET、Ruby、Python、Javaなど、ウェブサイトの裏側を支える言語のシェアです。システム開発の案件などでは、このあたりの知識も求められることがあります。

画像ファイル形式

JPEG、PNG、GIFといったお馴染みの形式に加え、最近注目されているWebPなどの次世代画像フォーマットがどれくらい普及しているのかも分かります。サイトの表示速度改善やSEOにも関わる重要なポイントです。

アクセス解析ツール

Google Analyticsをはじめ、どのようなアクセス解析ツールが多く導入されているかのデータです。ウェブサイトは作って終わりではなく、公開後の効果測定と改善が不可欠。クライアントに提案する際にも役立つ知識です。

その他にも

ウェブサーバー(Apache, Nginxなど)、SSL証明書発行局、ドメインレジストラ、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)など、ウェブサイトを支える様々な技術のトレンドを知ることができます。

なぜW3Techsを知っておくと良いの?~Webデザイナーとしての価値を高めるために~

「技術のことはエンジニアに任せれば…」そう思うWebデザイナーさんもいるかもしれません。しかし、現代のWebデザインにおいて、技術トレンドを理解することは、ご自身のデザインスキルを最大限に活かし、キャリアを豊かにするために非常に重要です。では、W3Techsの情報は、Webデザイナーにとって具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

1. デザインを活かす「技術選定」ができるようになる

  • CMS選定で説得力アップ:クライアントの目的や運用スタイルに合わせて、「なぜこのCMS(例:WordPress)が良いのか」をデザイン視点だけでなく、市場シェアや将来性といった客観的データも交えて提案できます。デザインの自由度とユーザビリティを両立する選択がしやすくなります。
  • 魅力的なUI/UXを実現する技術のヒント:JavaScriptライブラリのトレンド(例:ReactやVue.jsなど)を知ることで、よりリッチなインタラクションやアニメーションをデザインに取り入れる際の技術的な実現性をイメージしやすくなります。「こんな動きをつけたいけど、今の主流は?」といった疑問の答えが見つかるかもしれません。
  • 美しさと表示速度を両立:新しい画像形式(例:WebP)の普及状況を把握することで、高画質でありながら軽量な画像の使用を積極的に検討でき、デザインの質を損なうことなくサイトパフォーマンスの向上にも貢献できます。これはSEOの観点からも重要です。

2. デザインの「表現の幅」が広がり、「提案力」が向上する

  • 新しいデザインアイデアの源泉に:世の中で使われ始めている新しい技術や、それによって可能になる表現を知ることは、固定観念を打ち破り、あなたのデザインに新たなインスピレーションを与えてくれます。
  • 「作れるデザイン」から「作りたいデザイン」へ:技術的な制約を理解しつつも、トレンドを知ることで「もしかしたらこの技術を使えば、あの表現ができるかも?」という発想が生まれやすくなります。
  • クライアントへの+αの提案:デザインの意図だけでなく、それを支える技術的な背景やメリット(例:このCMSなら更新しやすいですよ、この技術なら将来的に拡張しやすいですよ、など)も合わせて伝えることで、提案に深みが増し、クライアントからの信頼を得やすくなります。

3. 制作の「効率化」とチーム内での「スムーズな連携」に繋がる

  • 情報収集・学習がしやすい:広く使われている技術は、チュートリアルや参考情報が豊富に存在するため、新しいスキルを習得する際のハードルが下がります。デザインツールとの連携情報も見つけやすいでしょう。
  • エンジニアとの共通言語が増える:デザイナーが技術トレンドを理解していると、エンジニアとのコミュニケーションがよりスムーズになります。実現可能なデザインなのか、代替案はあるか、といった建設的な議論がしやすくなり、プロジェクト全体のクオリティ向上に繋がります。

4. 「市場価値の高いWebデザイナー」を目指せる

  • 求められるスキルセットの把握:W3Techsのデータは、今どのような技術的知識を持ったデザイナーが市場で求められているのかを知るための一つの指標になります。自身のスキルセットをアップデートし続けることで、より良い条件での仕事獲得やキャリアアップが期待できます。
  • デザイントレンドと技術トレンドの融合:美しいデザインを作るスキルに加え、それを支える技術への理解を深めることで、表層的なデザインだけでなく、機能性や将来性まで考慮した本質的な価値を提供できるデザイナーへと成長できます。

W3Techsの情報の見方と注意点~デザイナー視点での活用~

W3Techs のサイトは英語ですが、グラフやランキングが中心なので視覚的に理解しやすいはずです。特にWebデザイナーの皆さんには、CMS、クライアントサイドのプログラミング言語(JavaScriptライブラリなど)、画像ファイル形式といったカテゴリをチェックすることをおすすめします。ただし、以下の点には注意しましょう。

  • データは「傾向」として捉える:W3Techsのデータは非常に有用ですが、調査対象の特性などから、あくまで市場全体の「大きな流れ」を示すものとして参考にしましょう。
  • 技術検出の限界を理解する:全ての技術を完璧に把握できるわけではないことを念頭に置きましょう。

これらの点を踏まえ、W3Techsの情報を鵜呑みにするのではなく、他の情報源と組み合わせながら、賢く活用していくことが大切です。

まとめ:W3Techsを「デザインの羅針盤」に、クリエイティブの可能性を広げよう!

今回は、世界のウェブ技術トレンドがわかるW3Techsと、それがWebデザイナーにとってなぜ重要なのかをご紹介しました。W3Techsは、あなたのデザインスキルをさらに輝かせ、より良いウェブサイトを世に送り出すための強力な「羅針盤」となり得ます。技術の動向を理解することで、表現の幅を広げ、クライアントやチームメンバーからの信頼を高め、そして何よりもあなた自身の市場価値を高めることができるでしょう。

創人塾では、デザインスキルだけでなく、こういった業界のトレンドをキャッチアップし、自ら学び続ける姿勢の重要性もお伝えしています。W3Techsのような情報源を上手に活用して、常に新しい知識を吸収し、時代に求められるWebデザイナーを目指しましょう!ぜひこの機会にW3Techsを覗いて、あなたのクリエイティブに新しい風を取り入れてみてくださいね。

創人塾はあなたのデザインキャリアをしっかりサポートします。

創人塾の詳細はこちら

筆者プロフィール

丸谷 香織 Kaori Maruya
Web・グラフィックデザイナー/ディレクター/創人塾Webデザインコーチ・リーダー


神奈川県横浜市出身。総合広告代理店で新規開拓営業を学び、その後ディスプレイデザイン会社で新規開拓営業・企画・デザイン・製作・現場施工を経験。2005年6月、フリーランスデザイナーとしてディスプレイデザイン・製作・施工を主軸に営業開始。初年度売上げ8桁達成で2006年10月法人成り、株式会社 Coconeil 設立。企業・店舗や団体・省庁などのイベントのWebデザイン・実装、ロゴデザイン、紙媒体のデザインと印刷を主軸に活動中。さらに近年では、駆け出しだった当時の自分を助けてくれた人たちへの恩返しの意味合いもあり、デザイン添削やアドバイスをする傍ら、複数のオンラインデザインスクールでデザインコーチ、講師としても活動。2025年3月、各分野のエキスパートたちとオンラインデザインスクール創人塾を開校、Webデザインコーチ・リーダーに就任。